「敬天愛人」と私
ビジネスの世界で、多大な実績を残された稲盛和夫氏がご逝去されて、1ヶ月が経過しました。
会社員の時の上司の勧めで、稲盛氏の多くの本を読み、影響を受けてきました。
人それぞれ、読み返す本ってなかなかないものではないでしょうか。
わたしも購入した本の95%以上は読み返すことなく本棚に鎮座しています。
しかしながら、稲盛氏の著作の中で、この「人生の王道」だけは、何度も何度も読み返した本で、友人にも何回もおすすめしたことのある本です。
初版は2007年となっています。
私は2010~2011年と約2年、鹿児島に赴任したこともあり、この稲盛氏の著作を通じて、
「上質な日本人」=西郷隆盛
の人となりに触れていく機会を得ました。私の敬愛する偉人の筆頭です。
「敬天愛人」は稲盛氏の京セラさんの社是にもなっていまして、
ホームページを拝見しますと
常に公明正大 謙虚な心で 仕事にあたり
天を敬い 人を愛し 仕事を愛し 会社を愛し 国を愛する心
と掲げられています。
この言葉に出会い、私の中心にこの言葉があり続けてきた、と思うと感慨深いものがあります。
なぜこのような記事を書こうと思ったかといいますと、
もうすぐ80歳になる、自立の(要介護でない)女性のお住まい探しの相談を昨日受けておりました。私が、毎月開催しているセミナーにお越しいただいてからのご縁で、お会いするのは3度目になります。この方とのやり取りの中で、改めて私の中に「敬天愛人」があることを確認し、一層この仕事に励むのだと思えたからでした。
「石井さんになんのメリットもない私の住まい探しに付き合わせては、申し訳ないから、自分で老人ホームの見学に行こうと思ってます」
その方のご希望や、経済背景など伺ったうえで、この方にピッタリと思われる老人ホームの形態は、必ずしも私のビジネスのメリットにはならない可能性がありました。私は間髪入れず、
「前回も申し上げた通り、私がこの仕事をしているのは、〇〇さんの世代の方々のお住まいの困りごとを解消して、お役に立ちたい情熱があるからなんです。これがサラリーマンであるなら、確かにこのような仕事の仕方はできません。目の前に困っている方がいらっしゃれば、わたしは、全力でお住まい探しを致します。個人事業主だからこそできる仕事のやり方があります。それが私が起業した理由ですから」と淀みなくお答えしました。
私は、パナソニック(松下電工)に入社し、20年以上にわたり、介護事業を立ち上げてきました。そのうち半分以上は、介護現場の最前線に立ってきました。途中、鹿児島に赴任し、上司が勧めてくれた稲盛氏の著作を通じて出会った、西郷隆盛の「敬天愛人」という言葉は私の中心にあるようになりました。わたしのキャリアや経験が、この世代の方々にお役に立ち、かつ私の中に強い情熱があるならば、わたしの道はここにある、と確信できます。もちろん個人事業主として事業を成り立たせることは絶対条件です。
まさに昨日のこの女性とのやり取りによって、私自身が進むべき「王道」を確認でき、一層心に力がみなぎるのを感じました。晴れ晴れとした気持ちになり、この思いを記事に残しておこうと思いました。
このような形で、独立して仕事ができるということは何と幸いなことでしょうか!!いよいよ力を得て、前進したいと思います。
稲盛和夫氏のご逝去に際し、哀悼の誠を捧げます。